ふるきいち
颪吹く樅の木の間の公園に古着市あり行きて買はむや
といふ次第で本日は
ふるきいちを頭に
古き家の留守を護りて鍛へ抜くいろはの道を千代越させんと
仮名遣の本質を護り抜く自分の覚悟の表明となりました。
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颪吹く樅の木の間の公園に古着市あり行きて買はむや
といふ次第で本日は
ふるきいちを頭に
古き家の留守を護りて鍛へ抜くいろはの道を千代越させんと
仮名遣の本質を護り抜く自分の覚悟の表明となりました。
この頃は鯉と鰻の店にゆかずひつつめ髪のいぢらしき娘よ
家で飲むことが多くなりまして、近くでいつも満席の名物店には行かずなりましたか。特に心惹かれたといふわけではないが、中の一人の若い娘の風貌ふと思ひ出して。他はオバサンばかりですが、良心的でてきぱきとして何よりお値頃な店です。
鉄路沿ふあけぼの杉の並木見て去にし昭和を想ひ出づるも
昭和天皇御製
わが国のたちなほり来し年々にあけぼの杉の木はのびにけり
とあります。
昭和から平成自分はいかなる時代に生まれ合はせたものかとその
めくりあひの如何を頭に
めざましく国ひろげゆく凛々しさに相そむきゐて独りなる部屋
と到底「期待される人間像」からは遠い身ですが。
ちなみに通つてゐた店は明らかに戦後直ぐくらゐからの建物でふとなつかしさに誘はれるものがあります。闇市栄えたであらう通りの近くには演歌専門レコード店などもあります。
木の芽吹く駅の通りになびきゐるお下げのリボンよしとおもへり
日陰はまだ寒いのですが、巧まざるお洒落に心魅かれて一首。よつて本日は初句の
このめふくを頭に
今年雛載せて流せば芽吹き立つふるさとの川暮れて偲ばゆ
暮れてとはわが人生も暮れごろになりてとの思ひもこめられてゐます。それにしても女性の好みは成長せずに生の暮れ方に入つたかと我ながら呆れます。
もてあます心の行方今問はず車塵の巷ゆきかへるのみ
点描の絵売る若者けふ見ねば鳩に餌やりて帰る駅前
いかにも傷付きやすさうな青年で久しくいぢめられつ子として引籠もりゐしさうですが、この道を見つけてから蘇生し葉書の画面にボールペンで実にこまめに寒い中日が落ちてからも絵描き励んでをりました。メルヘン風味の明るいネガとでもいへばよいかん。いたいたしくもけなげなおもひせられて本日は
こはれものを頭に
この国の果てなむ日にも連綿ともたらせし恩残りてあるべし
祖母と孫貼り絵し遊ぶを差し向かひの席に目守りてつくねんとゐつ
仕事早めに終はり乗つた電車中の嘱目東京見物のお土産に買つた貼り絵帳に議事堂やら東京駅やら三四歳とおぼしきお孫さんに手ほどきしながら楽しんでゐましたが。
入りゆかむ日の歩みさへやさしげになりて足らはぬ思ひを残す
子孫を残すこともしなかつた身には何気ない風でゐてさしぐむものある光景でした。
天照らす寶の下にながらへむさだめを負ふかけふの我さへ
私ごときにさへ照りあまねき日の恩が徒情などといはれぬやう、これより何ほどかを世に寄与したくおもひ本日は
あたなさけを頭に
蕗の薹買ひ来て焦がし食ふ夕べほろ苦き世の行く末おもはず
地面に生えてゐるものをほしいままに取つてたべた身には、パック入りの蕗の薹とは何かそぐはぬ感じではありますが、今日は
ふきのたうを頭に
ふるさとは昨日夢見し野遊びにたそがれゆきてうるむ夕日よ
といふことで苦味の中にやや切ない思ひもまじりました。
あたらしき靴買ひ紐を結ぶ宵締まりなく経し一世をおもふ
単に自嘲自虐のもてあそびぐさといふまでですが。かかる不義理で不孝な
おやしらすを頭に
老い痴れてやうやくものを知らむ日に労苦は嵩むすべて身の錆
これは落語にもしかねるげな。
白蓮の咲ける堀沿ひ茫々と見晴らしながらけふのたづきす
職掌柄日々出先が違ふのでその点飽きが来なくてよいですが、それにしてもこの暖冬ははてなと首をかしげます。帰宅してもなほ
宵浅く聞こゆる声も霞みゐて電車のとよみそこにまじはる
といつた一人住みの境遇の
くらしむきを頭に
くびれよき裸婦の姿態をしまりなく睦み眺めむ昨日今日明日
といつたていたらくでは一向に暮らし向きのよくなる筈もありませんか(笑)
まざまざと窓越しに見る水晶の柱の中の来し方行方
とあるガード下の店での嘱目、侘びしい身過ぎにはウィンドウショッピングの他ありませんが。アメジスト封じ込めた岩の断面に売約済みの札掛けられてゐるのもありました。そのいづれかに亡き母の像でも映り私を責めるとならばいかやうにもそを甘受せんものをと今更甲斐無きことをおもひます。
うち続く株の安値に嫌気して缶蹴り遊ぶ池のほとりに
自分で株買ふわけでもないのですが、「腎虚」の因を悟らずゐる世の歯痒さについ苛立ちてかかることになります。
些細なことからくづれてゆく男女の愛を歌ふ曲に布施明の「積木の部屋」又チューリップの「サボテンの花」も同巧でしたか。いづれもままごとじみた同棲の結末でしたが、俳優穂積某氏が家庭崩壊を綴る「積木崩し」の例もあつたこと思ひ出て
つみきはこを頭に
鶴発ちてみさごゐる瀬の岸辺には花莟みゐき去年の今頃
といふ次第で終はりよくする例は甚だ稀なるものでせうか。相場のことも似たり寄つたりかなあなどと無責任なことを言ひ散らかして今日はこれまで。
川舟の向う車塵の絶え間なき都のほとりさすらへにけり
用済みてまだ昼鳩らもつくねんとその川浪を眺めゐしかな
仕事ともいへぬ仕事を終へての感慨です。高架の下に風情ある橋の風景が蹂躙されゐる世代は早く終はらせたいものです。さなくば良識がどこかで腎虚に陥る。よつてあらぬ妄想に誘はれ今日は
かまいたちを頭に
肩と胸をまだらの蛇が刺青し立てし小膝に血の舌燃ゆる
などとあられもないことになつてしまひました。現代文明を女体にたとふればかやうな始末になつてゐるといふ警告まで。天然の体に墨入れるはやはり好ましいこととはいへぬのではないでせうか。同時株安現象も腎虚つまりは世の判断力全体へのインポ化を警告してゐるのかも。
鳥が音を心もそらに聞きながらはやも憑かるる春の愁へか
といふ次第で心中茫々、更新が滞つてしまひました。
早春の嵐に押されずるずると「工事中」なる看板後じさる
ビル風の間の工事現場でのかかる光景はどこかしら人間くさいをかしみを感じます。
朝夕の茜の色もすつかりほのぼのと霞みわたれる風情になつてしまつたかと幾分齟齬を感じつつ
あかねくもを頭に
有明の彼方へ託す願ひ持ち苦しみ越えてもたらさむ何
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