新年所感
盗人とテロの種えぞ尽きまいと思ふ四囲環海の国にて
速い子はゐても強いこなくなると嘆くや箱根の駅伝終へて
半年以上更新休んだ上にあまり冴えぬ所感ではありますが、再開のご挨拶まで。
かとのまつ
かなしみを遠ざけ置きてのどかなる街をあゆめば月ややに出づ
今年は太陰太陽暦にいふ十一月二十三日の「年明け」ですから月は宵待ち月になります。
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盗人とテロの種えぞ尽きまいと思ふ四囲環海の国にて
速い子はゐても強いこなくなると嘆くや箱根の駅伝終へて
半年以上更新休んだ上にあまり冴えぬ所感ではありますが、再開のご挨拶まで。
かとのまつ
かなしみを遠ざけ置きてのどかなる街をあゆめば月ややに出づ
今年は太陰太陽暦にいふ十一月二十三日の「年明け」ですから月は宵待ち月になります。
梅雨入れど晴れうち続く街中に葵の陰のつくねんとして
手篭められつつある国か頻々とあらぬ噂の立てるこの頃
蜜の罠に嵌つた自衛隊員といひ、朝鮮総連の建物売却に絡んだ元当局の高官といひ、スパイ天国といはるる日本、全体に脇の甘さが脱けきらぬのでせうかと空梅雨の入道雲を仰ぎます。
よつて本日はくものみねを冠に
暮れ空をもとほりながら残すなき未練を歌ふ音色聞くかな
蓮はまだ開くに間ある池越しに塔の水煙あふぎみるかな
直接の嘱目は不忍池ですが、嘗ての旅先での映像がかさなりあふところあるか。
いや深む緑のまにまうるほはぬ心をもちて水呑みにけり
渇いてゐる分、水といひ酒といひ呑みやうもだせけて無様になりゐるやと自嘲しつつ自らにかけた陥穽のむなしさ馬鹿馬鹿しさをおもひ、
おとしあなを冠に
怯え寄る鳥の騒ぎもしらぬままあらぬ闇間になづさひにけり
さるにても蓮の台には遠き身か。
プラタナス木陰を行きて水玉のドレスの娘子犬曳きけり
菖蒲ふく池のほとりに語らへり瞳の青き娘二人も
今回は娘さんにこだはつてしまひましたが、初句
あやめふくを冠に
ありふれし山の景色をめづらしみ降り注ぐ日を暮れて愛しまむ
いつしかに薔薇紫陽花に咲き替りとどこほるなき時のうつろひ
隣席の妊婦の頬のかがよひを見つつうれたむおもひ恥ぢむや
親が自分を生んだことを後悔してゐたかなどかへりみゐる虚を突くやに電車のなかでこのご婦人はヘッドホンで音楽など聴いてをられましたが
本日は
きせつふうを冠に
きらめきてせまれる星のつらなりをふるへながめてうつくしむかな
コンパクトかざし睫毛の手入れする娘もゐるか昼の電車に
デートに行くとばかりは限らず、殆ど女としてのたしなみといふ以前の習性でせうか。外回りで乗る電車なかにしばしばみうけられます。
怠けゐて既に初夏隣り合ふ娘の和毛日に透かしみる
毛の生え具合とか爪の手入れ加減でふとその娘さんやご婦人の現在置かれた状況や運勢について勝手な妄想を逞しうしたりなどしますが、古い造りの、蟲這ひ出てやまぬ部屋に起居する自分こそ八方塞がり蟲の息かなどと日課の蟲殺しの間にふと苦笑してゐるこの頃です。
むしのいきを冠に
胸毛はだけ白髪を染めてのさばれど今は昔のきれぎれの夢
ナザレ人マグダラ女穢れなき腿を連ねて野の花の露
これはダヴィンチコードの世界ですかね。法王庁から火あぶりにされかねぬや。
しばらく更新を怠けてをりましたので、埋め合せにこんな罰当たりを一首。
生涯に幾億本の毛を落とし過ぎ行くやらむなどおもひつつ
髪の毛体毛陰毛等考ふればきりない話かなどと寝ぼけまくらに埒ないことをおもふ
なまけものを冠に
ながらへてまざまざとあふ今日の憂さ元の塒に残る一筋
この題は折にふれ思ひついた時に詠み加へます。
ほの煙る空ゆ鳥らの食みこぼす花八重となり選挙果てしか
統一地方選挙も落ち着くところに落ち着く結果になり途上の論議もさしたる実りを得ぬやうでしたが、却てこれが健全なる世の動きかとおもひつつ一首。
天に向けいななく馬をかたどれる噴水めぐり人ものしづか
この「人」は単数なるか複数でよいかなどとつまらぬことを考へますが、私が絵描きとして作る場合は単数でその人の寂寥感を際立たせる具として奔馬の噴水を使ふでせうか。かかる世の動きにはぐれた人をも念頭に本日は
よのうこきを冠に
よろこびて伸びゆく花を歌ひ上げこの天地に君いざなはむ
上野なる末の櫻もよしとみて着流し歩く人ともしめる
花も末の風情をたのしむ人もあるやらんと、所用でたづねた上野での嘱目です。
石段の似顔絵描きのうしろよりためつすがめつ見てたのしめる
公園口の名物でせうか。三四人それぞれに繁盛してをりました。彼らそれなりに人間通にはなつてゐるかと特徴のつかみどころの適確さに感心もし苦笑ひもしながら
にせゑかきを冠に
西風吹きてせせらぎいささ笑まむ日のかぎろひ燃えぬ君とあへる日
隠し句とはかけはなれた初恋の思ひ出のごときものになつてしまひましたが、これ私個人の体験とは交渉なき偽の恋歌といふべきでせう。
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